杉原記念館の持続的な運営を支える基金設立

10/4/20241 分読む

カウナスの杉原記念館の維持を目的とした基金が設立されました。これは、歴史的にも意義深く重要な役割を果たすこの記念館の長期的な存続を支える大きな礎です。

本基金は自立した安定的な収益源を確立することを目指し、杉原千畝やヤン・ズワルテンダイク、そして第二次世界大戦中に命を救ったその他の外交官たちの英雄的な物語を伝え続けるとともに、共生と尊重、人道主義の価値を広める活動を支援していきます。

この新たに設立された基金の理事長であるサウリウス・ガルバラヴィチウスは、「この基金の設立は、記念館の未来への投資です。私たちは、寄付者の資金が記念館の存続を守るだけでなく、持続可能な資金調達システムを確立し、長期的な発展と活動の原動力となることを目指しています。」と述べます。

四半世紀にわたり、杉原財団「Diplomats for Life」は、カウナスのヴァイジュガント通りにおいて、民間主導およびボランティアの支えのもと、この特別な場所を守り続けてきました。そして現在も我々は特別な使命のため、記念館を運営し続けています。

この記念館は、日本の領事であった杉原千畝の功績を称える追悼の場であり、同時に当時カウナスのオランダ名誉領事であったヤン・ズワルテンダイク、そしてヨーロッパのユダヤ人が死の危機に直面する中で救済の手を差し伸べた、数少ない国々の外交官たちの偉業を伝える場でもあります。これは、現代の私たちに人間社会が抱える脅威を思い起こさせるとともに、特に今日、リトアニアや世界に反ユダヤ主義の波紋が広がる中、相互理解、思いやり、公正さの模範を示すものとなっています。

新たに設立された慈善・支援基金は、恒久基金として運営され、主な役割は調達した資金を投資し、安定した収益を生み出すことです。投資による収益は、カウナスのヴァイジュガント通り30番地にある杉原記念館の維持・発展や、さまざまな社会プロジェクトの資金として活用されます。一方で、残りの収益は再投資され、基金の資産をさらに成長させることを目指します。

このような基金の形態により記念館は個々の寄付や来館者の増減に影響されることなく、安定した長期的な運営が期待できます。これは、歴史的遺産や設備の保存・更新においてひと際重要です。

杉原記念館は、リトアニア国内だけでなく国際的にも大きな意義を持つ施設です。2023年には岸田文雄元首相が訪問し、過去には安倍晋三元首相やオランダのベアトリクス女王をはじめ、多くの要人が足を運んでいます。

2024年春、本基金は日本への公式訪問の際に日本の経済界の代表者や政府関係者に紹介されました。東京のリトアニア共和国大使館で開催された交流会では、カウナスにある杉原記念館の活動や今後の計画について来場者に紹介されました。今後、この基金の活動は、リトアニア国内のみならずアメリカをはじめとする海外市場にも広く広報されていく予定です。

本基金は、杉原千畝氏や他の外交官たちの物語を伝え続けるための重要な支えとなり、現代において特に重要な価値観を育むための手段となると私たちは信じています。この重要な使命に加わり、私たちの取り組みを後押ししてください。